日大アメフトの反則タックル事件は体育会文化が生んだ?

日大アメフトの反則タックル事件は体育会文化が生んだ?

連日報道される日大アメフト部の
反則タックル事件。

無防備の選手に背後から猛烈なタックルを仕掛けたシーンは
何度見ても恐ろしですよね。

 

日大の宮川選手の記者会見では
監督の指示で反則をしたと発言。

内田監督、井上コーチの記者会見では
反則の指示はしていないと回答。

日大の大塚吉兵衛学長も一連の対応に謝罪したものの
反則の指示は認めなかったですね。

 

世論は反則をした宮川選手を擁護する声が多く
監督、コーチ、学長はたたかれまくっています。

 

この事件に関して興味深いコメントを
ツイッターでした方がいます。

為末大さんです。

※400mハードル日本記録保持者。
現在はスポーツコメンテーター、指導者などで活動中。

こんなことを言っていました。

今糾弾されているのはスポーツ界の中にある体育会文化であって、スポーツ自体ではない。社会はスポーツ界自らがこの悪しき文化を断ち切ることを望んでいる。そうでなければ、スポーツ自体が悪とされていく可能性が高い。8:44 – 2018年5月25日 ※原文ママ

 

そのツイートを引用しつつ、
乙武洋匡さんがこんな見解を述べていました。

体育とスポーツは違う。
体育は軍隊における兵士錬成に原型を持つ。
スポーツは余暇や娯楽といった言葉を語源に持つ。
体育は「強制」、スポーツは「自発」。
体育とスポーツは対照的。

かなり的を得た見解だと思いました。

 

僕自身も高校時代にサッカー部に所属していましたが
完全に体育会的な部活でした。

顧問の言うことは絶対で、
暴力と恫喝で生徒を支配していました。

 

顧問の気を害すような事象があると
副顧問が生徒に歩み寄り謝罪するよう促す
ということがよくありました。

もう20年以上前の時代の話です。
でも人間関係の構図がとてもにています。

 

僕がいた部活の顧問(監督)が内田監督
副顧問が井上コーチ。

相手チームの選手を怪我させるような指示はありませんでしたが
上意下達の体育会系文化そのものでした。

だから宮川選手の気持ちが何となくわかります。

 

怖くて、試合に外されたくなくて、
冷静な判断ができずに反則タックルをしてしまったのだと思います。

 

体育会文化は一般社会でもはびこっています。

会社などの組織の中では相手の理不尽な要求も
受け入れる姿勢や能力が評価されたりします。

上司や取引先の無理な要求や理不尽な仕打ちにも
笑って耐えられる忍耐強さが評価されるんですよね。

でもこれって年功序列で
年齢ともの出世していくことが前提だから
耐えられた部分もあるのではないかと思います。

 

「今はいろいろ辛いけど、自分も部下ができれば楽できる」
こんな考えです。

でも今の時代、
多くの会社や組織では年功序列は崩壊しています。

であれば今の時代は
体育会系から脱却しスポーツマインドにシフトしたほうが
お得なのではないでしょうか?

 

強制を甘受することをやめ
自発的に物事に取り組む。

そんなことを考えさせられる
乙武さんのコメントでした。

 

不倫騒動以降、世間の風当たりが厳しい乙武さんですが
教師経験や様々な知見がある彼の見解に
同意せざるを得ませんでした。

 

日大アメフトの反則タックル事件は
体育会文化が生んだのではないでしょうか?

スポーツや組織をより良くしていくには
体育会系からの卒業が必要ですね。