業務上横領の店舗スタッフは実刑で10年以下の懲役?

業務上横領の店舗スタッフは実刑で10年以下の懲役?

「レジのお金を盗まれていたみたいです」
「在庫していた化粧品が明らかに減っている」
「お客さんに聞いた支払額と、スタッフの入金額が異なる」

こんな話を度々耳にします。

 

先日もエステオーナーに
「とても長い付き合いのスタッフが横領していて残念すぎます」
ととても悲しそうに話されました。

 

そのような被害にあうお店には
傾向があることに気が付きました。

1.一人体制で従業員に勤務させることが多い。
2.自分のスタッフが横領をするとは思ってもいなかった。
3.横領が犯罪だということをスタッフに説明していなかった。

どれか該当するものはありますか?

 

オーナー自身が横領する気が全く無い場合
スタッフのことを性善説で見てしまいます。

まさかお店のお金に手を付けることはないだろう。

つまり、横領自体が起こることを
全く想定していないケースが多いです。

 

そこで僕が推奨しているのは
スタッフに「お店のお金を着服することは横領罪である」ということを
丁寧に教えてあげることです。

バレなきゃいいや、バレないでしょう、
バレたら泣いて返せばいいや。

こんな軽い気持ちで横領している可能性が
高いと思われるからです。

 

以下、業務上横領の基礎知識です。

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業務上横領の典型例
仕事上会社などから預かって管理している金品を
自分ものにしてしまうということ。

量刑
10年以下の懲役

量刑の目安
●被害金額100万円以下:執行猶予
●被害金額500万円:2年の実刑
●被害金額1000万円:2年6か月の実刑
●被害金額3000万円:3年の実刑

業務上横領は罰金刑が設けられていません。
起訴されれば必ず懲役刑が求刑されることになります。
初犯であっても即刑務所に入る場合もある重罪です。

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スタッフへ「横領はするな」というのは
あまりにも信用していない印象を与えます。

ほとんどの人は横領しないわけなので
あまりかしこまらずに「教養として知っておいて」
ってレベルで伝えるのが良いかと思います。

 

例えば、デヴィ夫人事務所で1億円の横領事件があったことや
エステサロンのコンサルタントに聞いたが、
スタッフが売上を横領することは特別なことでもないようだ。

と横領について触れるだけでも
意識が変わるはずです。

 

横領した金額が100万円以下でも
お店と示談にならずに起訴されれば
執行猶予なしの実刑もあるそうよ。

とさらっと伝えるだけでも抑止力になります。

レジに監視カメラをつけるのも有効です。

お店のお金に着服するという業務上横領は
立派な犯罪です。

 

しかし、現行犯か監視カメラに録画されているなど
明確な証拠がなく、泣き寝入りするケースも多いようです。

横領されたことが世間に知られると、
お店のイメージダウンにつながる可能性があります。

そのため横領の存在を公にせず、
告訴しないケースももあるんですよね。

 

業務上横領は
「10年以下の懲役」
「執行猶予無しで実刑の場合もある」

 

このことを経営サイドも従業員も
認識することがトラブル防止に有効だと思われますね。